ハーヴェステラ攻略wiki【HARVESTELLA】

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魂をめぐる論考

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  • 1. 匿名

    <魂をめぐる論考>
    「さて…… 揃ったわね。」
    「悪いわね ディアンサス。
     急に 呼び出したりなんてして。」
    「ああ 構わない。」
    「だが……
     ”体を検査してほしい”とは
     いったい どういうことだ?」
    「見たところ 怪我をしていたり
     体調が悪いというわけでは
     なさそうだが。」
    「実は さ……」

     アリアが ディアンサスに
     事情を説明した。

    「……なるほど。
     アリアの人格が 我らのような
     疑似人格でないか 調べてほしいと。」
    「そういうこと。」
    「そのような意図ならば
     身体検査の 必要はない。」
    「前に 説明した通り
     君の存在は確かなものだ。」
    「アリア・レベンタールという
     カイン種人類だというのは
     我らの検査で 確認済みだ。」
    「本当に 本当?」
    「ああ。
     もしその確証が 取れていなかったら
     君に 全権を委任などしない。」
    「……それもそうか。」
    「君から採取された 細胞から
     君が アリア・レベンタールと
     同一個体であると 結論はついている。」
    「遺伝子の塩基配列や 脳波パターンまで
     100パーセント 一致している。」
    「もし君が 疑うというなら……
     その時の検査結果を 見せてもいいが。」
    「ううん。
     そこまでは 必要ないかな。」
    「これは 仮定なんだけどね?
     もし 私のこの人格が あなたたちに
     移植されたものだったら どうなる?」
    「その仮定は不要だと考える。」
    「どうして?」
    「たしかに 我ら魔族のように
     人格データを 移植 することは
     技術的には 可能かもしれない。」
    「だが 現実には 実行できない。」
    「人間の意識 そのものに
     介入する技術は……
     三大禁忌に抵触する。」

    @三大禁忌?
     前にも 聞いたような……。

    「そういえば 前にガイストが
     言っていたわね。
     それ いったい何なの?」
    「君も 知らなかったのか。」
    「三大禁忌とは……
     我らの開発者たちが 規定した
     三つの論理規制だ。」
    「一つは 時の不可逆性。」
    「これは以前 ガイストから
     説明があったとおりだ。」
    「時は 過去より未来へ向け
     一方向に 流れ続ける。」
    「我らがタイムマシンを
     作り上げることが 不可能な理由だ。」
    「そして二つ目が 人類種の不変性。」
    「これは ありていにいえば
     人類種の学術的定義を 我らが勝手に
     変えてはならないということだ。」
    「この禁忌があるから
     我らは 人類に人格データを
     移植することは 出来ない。」
    「なるほど。
     つまり 人格データを移植してしまえば
     もはや 人類とは言えないかもしれない。」
    「その高度に倫理的な問題を
     検討する術を あなたたちは持たない。」
    「だから あなたたち人工知能は
     人格移植を 行うことが出来ない……と。」
    「そういうことだ。」
    「そして 君たち人類には人間の
     人格を移植する 技術はない。」
    「ゆえに 君の人格は
     元々 君が保持していたもの
     ということになる。」

     ちなみに あと一つの禁忌は何?
    @三つ目も 気になる。

    「残りの一つは…… 語ることができない。」
    「どうして?
     私は 最高のプロテクトがかかってる
     情報にもアクセスできるはずでしょ?」
    「それが……
     プロテクトの問題ではないのだ。」
    「事実 語ることができない。
     三大禁忌の 第三条は
     論理の外に存在する。」
    「ゆえに 我らの 論理能力では
     語ることが出来ない。」
    「だが…… その論理限界は
     たしかに存在する。」
    「調べるには 我らのアーキテクチャの
     根幹の部分に手を入れるしかない。」
    「……なるほど。
     ヴィドゲンシュタインの
     論考みたいなものか。」
    「まぁいいか。今はそれが
     本題ではないのだし。」
    「話を戻すと……」
    「私の意識は 間違いなく
     アリア・レベンタールという
     人類のものということで いいのね?」
    「ああ。
     移植などの処置は 行われていない。
     間違いなく 君は君だ。」
    「そっか。」

    @よかったね アリア。
     解決に一歩近づいたね。

    「ええ まぁね。」
    「私の意識が 偽物じゃないという
     ことは わかったけど……
     調査は 振り出しね……。」
    「でも そうなると……
     二千年間の 意識的空白について
     どう説明を つければいいの?」
    「ディアンサス。
     あなたの知性を貸してちょうだい。」
    「……極めて難しいな。」
    「我らの持つ 科学の範囲で
     論理的に考えるならば……
     君の存在は あり得ない。」
    「……。」
    「だが……」
    「それは裏を返せば
     こう考えることもできる。」
    「我らの持つ 科学の領域を
     超えた何かが 存在すると。」
    「たとえばそれは……
     肉体に 紐付いた”魂”の
     ようなものを仮定するとか……」
    「……マジ?」
    「あんた 壊れてないわよね?」
    「無論だ。」
    「この件は ガイストが言っていた
     ”星の記憶領域”の理論と
     性質が 似ている気がする。」
    「ガイストは 論理的な限界に
     たどり着いた時 形而上的存在を
     仮定することで 説明をつけた。」
    「そして 我らはその説明が
     一定の水準で 正しかったことを
     もう知っているだろう?」
    「ならば 人間の肉体にも
     魂なるものが 存在すると
     仮定するのが 論理的帰結だ。」
    「……なるほどね。」
    「むしろ 論理的に積み上げていくほど
     形而上の存在を 想定しなければ
     説明できない…… ということか。」
    「形而上というのは あくまで
     我らの現在の科学では 説明不可能……
     というだけなのでな。」
    「かつて 君たち人類が
     全ての物理法則を 神の御業と
     信じていたように。」
    「……ふむ。」
    「君たちの脳の ハードウェア部分は
     我らの技術で 解明が完了している。」
    「だが それだけれは君の
     意識的空白について 説明が 
     つけられない。」
    「そっか……。
     ガイストが シーズライトを
     解析できなかったのと 同じなのね。」
    「ああ。
     君の求めていた答えが
     出せなくて すまない。」
    「ううん…… そんなことないわ。
     前には進んでると思う。」
    「魂と意識……
     やっぱり 鍵はそこにあるのかしらね。」
    「……はぁ。
     私 科学者なのにな。」
    「なんて オカルトな領分に
     足を踏み入れようとして
     いるのかしら……」

     答えを見つけるためだ。
    @一緒に 答えを見つけ出そう。

    「お気楽に 言ってくれるわね……。」
    「……とりあえず 今日はここまでね。」
    「付き合ってくれて ありがとう。
     ディアンサス。」
    「気にするな。
     それが私の役割だ。」
    「あんたも 付き合ってくれてありがと。」
    「この問題については
     帰ってから もう一度 考えるわ。」
    「何か進展があったら 呼ぶから
     それまで 待っててちょうだい。」

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